第5章
5-1 画像の性質を表す諸量
- ヒストグラム ([英]histogram:棒グラフ) CGでは「横軸が明るさ、縦軸が画素数」のグラフのこと
- コントラスト:明るさのメリハリのこと
- コントラストが高い → 暗い画素、明るい画素が存在する → ヒストグラムではどこもそれなりの高さ → 標準偏差小さい
- コントラストが低い → 同じくらいの明るさの画素が多い → ヒストグラムでは特定の部分だけが高い → 標準偏差大きい
- 統計量
- 中央値:明るい(暗い)順に並べたときの「真ん中番目」の明るさ
- 最頻値:ヒストグラムの一番高いところの明るさ
5-2 トーンカーブ
- トーンカーブ:「横軸が元の明るさ、縦軸が変換後の明るさ」のグラフ(画像の明るさを変換するのに使う)
- トーンカーブが「斜め45度の線」より上 → 明るくなる
- トーンカーブが「斜め45度の線」より下 → 暗くなる
変換の種類 | トーンカーブ | 画像 | ヒストグラム |
ガンマ補正(γ > 1) | 上に膨らむ | 明るくなる | 右に寄る |
ガンマ補正(γ < 1) | 下に膨らむ | 暗くなる | 左に寄る |
S字トーンカーブ | S字 | コントラストが上がる | 左右に広がる |
ヒストグラム平坦化 | | コントラストが上がる | 平らな状態に近くなる |
ネガ・ポジ反転 | 右下がり直線 | 明暗が逆転 | 左右が逆になる |
ポスタリゼーション | 階段状 | 数段階の明るさだけになる | 数か所のピークだけになる |
2値化 | 階段状(0or255のみ) | 白か黒だけになる | 0と255のピークだけになる |
ソラリゼーション | 0→上がる→下がる→255 | 中間の明るさの部分の明暗が反転する | |
- 疑似カラー:グレースケール画像の明るさに色を割り当ててカラー画像を作る
- 色相、彩度、明度の変換
- 色相の変換:赤・青・緑の「回転」
- 再度の変換:色を鮮やかにする (or くすませる)
- 明度の変換:明るくする (or 暗くする)
5-3 領域に基づく濃淡変換 (空間フィルタリング)
(過去にはこの範囲から「CGエンジニア検定 ベーシック」の問題が出たことはない)
- 平滑化:変換後の画像のピクセルの色 ← 元画像のそのピクセルと、その周りのピクセルの色を平均して求める
- 特徴:ぼやける、ノイズが消える
- 単純な平滑化:全部足して、ピクセル数で割る
- 加重平均:中央に近いものほど影響を大きくする(ガウシアンフィルタなど) → 単純なものよりもぼやけ方が弱くなる
- メディアンフィルタ:考慮する範囲のピクセルの明るさの中央値を採用 → 水彩画のような雰囲気になる
- エッジ抽出:写真などの画像から輪郭を取り出す
- 微分フィルタ:横方向・縦方向の明るさの変化が大きい部分を取り出す
- 変化の強さを単純に取り出す(図5.32, 図5.35, 図5.37)
- ソーベルフィルタ(スキャンする列の隣も考慮, 図5.39)
- 鮮鋭化フィルタ:元画像のエッジを強調
5-4 そのほかの処理
(過去にはこの範囲から「CGエンジニア検定 ベーシック」の問題が出たことはない)
- モザイク処理:n×nピクセルのマスをその平均色で塗りつぶす
- ハーフトーニング:白黒ピクセルの密度で濃淡をあらわす
- ディザ法:2値化のしきい値をマスの中の位置ごとに変える (ハーフトーニングの一種)
- 画素間演算
- アルファブレンディング:2つの画像のそれぞれのピクセルの色を平均 ((5.9)ではαが大きいほど1の画像に近い状態になる)
- エンボス:浮き彫りのような加工
- マスク処理:合成のときに「ここを使う」という範囲を指定するのに別の画像を使用
練習問題
- 範囲
- 2012年度 前期 第29問
- 2013年度 前期 第29問
- 2014年度 後期 第29問
- 2015年度 後期 第27問
- 2016年度 前期 第28問
- 2017年度 後期 第28問
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宿題
- 範囲
- 2011年度 後期 第28問
- 2018年度 前期 第28問
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