以下の事象に関わる情報量を求めよ。ただし、結果は四捨五入して小数第二位までにし、単位も忘れずに書くこと。
いずれの設問も、例えば 真・関数電卓 (
App Store、
Google Play) などの対数の底を指定できるアプリを使い、底を2にして求める。
- 12面体サイコロを1つ投げ、1の目が出た。
この事象が起こる確率は \(p=1/12\) なので、
\(
\begin{eqnarray}
I\left(\frac{1}{12}\right)&=&-\log\left(\frac{1}{12}\right)\cr
&=&-\log(12^{-1})\cr
&=&\log(12)\cr
&=&3.584\cdots\cr
&≒&3.58
\end{eqnarray}
\)
より情報量は3.58ビットになる。
常用対数や自然対数しか使えないタイプの電卓しか使えない場合は、たとえば \(\log_2(12)=\frac{\log_{10}12}{\log_{10}2}\) のように対数の4番目の性質を使って求める。
ただし、その場合は有効桁数に注意する必要がある。
最終的な答えの有効桁数は3桁だが、分子と分母を \(\log_{10}12=1.0791...≒1.08\)、\(\log_{10}2=0.30103...≒0.301\) のように3桁に丸めてしまうと、\(1.08÷0.301=3.588...≒3.59\) のように、小数第三位が誤った値になってしまう。
正しい答えを求めるには、最終的な有効桁数より下まで残して \(1.079÷0.3010=3.584...≒3.58\) のようにする必要がある。
いちいちそれぞれの値を計算するよりも、関数電卓に割り算も含めて入力したほうが手間が省けるうえに、確実に正確な値が出る。
- 12面体サイコロを1つ投げ、1~5の目のいずれかになった。
この事象が起こる確率は \(p=5/12\) なので、
\(
\begin{eqnarray}
I\left(\frac{5}{12}\right)&=&-\log\left(\frac{5}{12}\right)\cr
&=&-\log\left(\left(\frac{12}{5}\right)^{-1}\right)\cr
&=&\log\left(\frac{12}{5}\right)\cr
&=&1.263...\\
&≒&1.26
\end{eqnarray}
\)
より情報量は1.26ビットになる。
上の1行目と3行目を見比べると、真数 (カッコの中の数) が分数の形なら「分子と分母を逆にすればマイナスがとれる」ことがわかる。
これを覚えておけば計算が楽になる。
これも、下手に式を変形したりせずに、真数 (カッコの中の数) を分数の形で書いた方が簡単で正確。
底を指定して対数を計算できる電卓なら単純に
常用対数しか使えない場合でも、こうすれば正確に求められる。
- コインを4枚投げ、表が1枚、裏が3枚になった。
コインを4枚投げた結果のパターンは全部で \(2^4=16\) 通り。
表 → 0, 裏 → 1に置き換えて考えると、表が1枚、裏が3枚になるのは1110, 1101, 1011, 0111の4パターンあるので、この事象が起こる確率は \(p=4/16=1/4\) になる。よって
\(
\begin{eqnarray}
I\left(\frac{1}{4}\right)&=&-\log\left(\frac{1}{4}\right)\\
&=&\log 4\\
&=&\log 2^2\\
&=&2\log 2\\
&=&2\times1\\
&=&2
\end{eqnarray}
\)
より情報量は2ビットになる。
(単に「コイン2枚投げたときの結果と同じく確率が1/4なので情報量は2ビット」という答えでも正解)
- コインを4枚投げ、表が2枚、裏が2枚になった。
表 → 0, 裏 → 1に置き換えて考えると、表が2枚、裏が2枚になるのは1100, 0011, 0110, 1001, 1010, 0101の6パターンあるので、この事象が起こる確率は \(p=6/16=3/8\) になる。よって
\(
\begin{eqnarray}
I\left(\frac{3}{8}\right)&=&-\log\left(\frac{3}{8}\right)\\
&=&\log\left(\frac{8}{3}\right)\cr
&=&1.415...\cr
&≒&1.42
\end{eqnarray}
\)
より情報量は1.42ビットになる。