情報理論 第7回 反復符号とパリティ検査符号 (1) 練習問題解答例
- 練習問題1
入力が0, 1のどちらの場合も確率 で変化する通信路で3倍の反復符号を使い、誤り訂正を行った場合の誤り率を求めよ。また、それが「反復符号を使わずにそのまま送った場合の誤り率」に対して何%の値であるかを求めよ。
①式の に0.1を入れると、誤り率は
となり、反復符号を使わない場合の誤り率0.1に対しては
になる。
- 練習問題2
入力が0, 1のどちらの場合も確率 で変化する通信路で5倍の反復符号を使い、誤り訂正を行った場合の誤り率を求めよ (四捨五入して小数第3位まで)。また、それが「反復符号を使わずにそのまま送った場合の誤り率」に対して何%の値であるかを求めよ。
変化の回数に応じて表をつくると
変化の回数 | 受け取るもの | 確率 | 復元されるもの |
0 | 00000 |
|
0 (正しい) |
1 | 00001, 00010,...(5通り) |
|
0 (正しい) |
2 | 00011, 00101,...(10通り) |
|
0 (正しい) |
3 | 00111, 01011,...(10通り) |
|
1 (誤り) |
4 | 01111, 10111,...(5通り) |
|
1 (誤り) |
5 | 11111 |
|
1 (誤り) |
のようになる。このうち誤った結果になるのは下の3行なので、誤り率は
と表わせる。ここで に0.1を入れると、誤り率は
となり、反復符号を使わない場合の誤り率0.1に対しては
になる。
- 練習問題3
入力が0, 1のどちらの場合も確率 で変化する通信路で3倍の反復符号を使い、誤り検出を行った場合の誤り率を求めよ (四捨五入して小数第5位まで)。また、それが「反復符号を使わずにそのまま送った場合の誤り率」に対して何%の値であるかを求めよ (小数第2位まで)。
⑤式の に0.1を入れると、誤り率は
となり、反復符号を使わない場合の誤り率0.1に対しては
になる。
- 練習問題4
入力が0, 1のどちらの場合も確率 で変化する通信路で5倍の反復符号を使い、誤り検出を行った場合の誤り率を求めよ (四捨五入して小数第5位まで)。また、それが「反復符号を使わずにそのまま送った場合の誤り率」に対して何%の値であるかを求めよ(小数第2位まで)。
5倍の反復符号では、⑤式相当するものは
になる。この に0.1を入れると、誤り率は
となり、反復符号を使わない場合の誤り率0.1に対しては
になる。
- 練習問題5
符号「011110001111」にパリティ検査符号を追加したものを記述せよ。ただし とする。
「0111 1000 1111」のように区切ると、それぞれのブロックには前から順に奇数個、奇数個、偶数個の1が含まれる。よってパリティ検査符号はそれぞれ1, 1, 0になるので、パリティ検査符号を追加されたものは 01111 10001 11110 になる。
- 練習問題6
パリティ検査符号追加済みの以下の符号を受け取ったとき、通信路で変化があったかどうかを判定し、以下のものを解答せよ。ただし とする。
- 変化があった場合 → 「変化あり」と解答
- 変化がなかった場合 → 情報源符号を記述
- 101001110101
- 001110011111
- 101001110101
なので、検査符号追加済みの符号は4つずつ区切る。「1010 0111 0101」のように区切ると、2つ目のブロックの1の数は奇数。→変化あり
- 001110011111
同様に4つずつ区切ると「0011 1001 1111」となり、どのブロックの1の数も偶数個なので、変化なしと判定される。情報源符号はこれらのブロックの最後のビットを除いた001 100 111 となる。