入力が0, 1のどちらの場合も確率 \(p=0.1\) で変化する通信路で5倍の反復符号を使い、誤り訂正を行った場合の誤り率を求めよ (四捨五入して小数第3位まで)。
変化の回数に応じて表をつくると
変化の回数 | 受け取るもの | 確率 | 復元されるもの |
0 | 00000 |
\((1-p)^5\) |
0 (正しい) |
1 | 00001, 00010,...(5通り) |
\(p(1-p)^4\) |
0 (正しい) |
2 | 00011, 00101,...(10通り) |
\(p^2(1-p)^3\) |
0 (正しい) |
3 | 00111, 01011,...(10通り) |
\(p^3(1-p)^2\) |
1 (誤り) |
4 | 01111, 10111,...(5通り) |
\(p^4(1-p)\) |
1 (誤り) |
5 | 11111 |
\(p^5\) |
1 (誤り) |
のようになる。このうち誤った結果になるのは変化の回数が3, 4, 5回の場合なので、誤り率は
\(\begin{eqnarray}
p_e&=&10p^3(1-p)^2+5p^4(1-p)+p^5\\
&=&p^3\left(10(1-p)^2+5p(1-p)+p^2\right)
\end{eqnarray}
\)
と表わせる。ここで \(p\) に0.1を入れると、
\(\begin{eqnarray}
p_e&=&0.1^3\times\left(10\times0.9^2+5\times0.1\times0.9+0.1^2\right)\\
&=&0.001\times(8.1+0.45+0.01)\\
&=&0.00856\\
&≒&0.009
\end{eqnarray}
\)
|
となる。
この値は、反復符号を使わない場合の誤り率0.1に比べれば9%で、3倍の反復符号のときと比べても間違いが起こる確率が減っていることがわかる。